使っているフレームの出どころ
戦略(今学期、何に力を入れ、何は今は追わないか)を決めるための順番は、思いつきで作ったものではありません。 どのフレームから採っているかを、ここに書いておきます。 あわせて、ここまでが確かで、ここからは確かでない、も書きます。
先に「どうなったら達成か」を決めてから、やることを決める
対話では、打つ手を決める前に「どうなっていたら、そうなったと言えるか」をうかがいます。 この順番は逆向き設計という考え方から採っています(ウィギンズ&マクタイ、1998)。 求められる結果を決め、次に達成を何で確かめるかを決め、最後にやることを組み立てる、という順番です。
育てたいものを並べるときの足場
学習指導要領は「知識及び技能/思考力・判断力・表現力等/学びに向かう力・人間性等」という三つの柱を掲げています。育てたいものを並べていただくとき、この区分を足場にしています。 中央教育審議会(2016年の答申)は、学習指導要領を 「学校・家庭・地域関係者が幅広く共有し活用できる『学びの地図』」と位置づけています。もともと、家庭と共有する前提で作られた区分です。
原因は、性格や能力ではなく、変えられる条件で書く
「なぜ、そうなっていないのか」を並べるとき、時間帯・場所・直前の行動・量・難しさ・順番・声のかけ方 といった、家庭で動かせる条件に言い換えていただきます。 これは自己調整学習の研究(ジマーマン)で、うまくいかない理由を能力に結びつけると、 避ける・先延ばしにするという反応が起きやすいと指摘されてきたことを踏まえています。
約束は「もし◯◯したら、△△する」の形にする
お子さんに渡す約束は、時刻の指定より、すでにある習慣を合図にした形にします (「おふろから出たら」「ランドセルを置いたら」)。実行意図という考え方から採っています(ゴルヴィツァー)。
最後に「誰が、いつやるか」を本人の言葉で
決めたことを子どもに渡すところまでを一続きにしているのは、GROWという対話の型(ウィットモアら、1992)が、最後に「誰が実行し続けるのか」を 本人に言わせる形になっているからです。
育てたいものは、一本にまとめません
スポーツにも学習にも人との関わりにも力を入れたい、というのが実際のご家庭です。 ひとつの目的にすべてを従わせる形(中心に大きな目標を置いて枝を伸ばす図)は採っていません。 複数の目的が同じ手段と時間を取り合う構造は、ゴール・システムズ理論(クルグランスキほか)で 扱われてきました。OECD のラーニング・コンパス2030 も、目的地を単一の達成目標に置いていません。
ここまでが確かで、ここからは確かでないこと
確かなこと:ここに挙げた考え方には、それぞれ出どころの文献があり、学校教育や対話の現場で長く使われてきました。 この製品が通る順番は、そこから採っています。
確かでないこと:この順番を通せば成績が上がる、とは申し上げられません。私たちはそれを確かめていません。 ご家庭の事情はそれぞれ違い、効果の大きさも測っていません。 研究の結論を、効果の保証として引くことはしません。
採らなかった考え方もあります。たとえば、つまずきを知識の要素に分解して診断する方法は、 小学生では、うまくいかない理由が知識よりも行動や環境の側にあることが多いため採っていません。